実際に人体を見ずに、どんな角度からでも、どんなポーズでも、 正確に描ける力それを、「絶対画力」と呼んでみる。(絶対音感があるのだし)“物の構造を理解しながら”(注 1)、“観察デッサン→ 記憶デッサン→想像デッサン”(注2) を繰り返すことで「絶対画力」が養われる。どんなにカタチが取れない人でも、そんな画力が身につけられる。「絶 対画力!上達」講座 開講です!
担当講師 田村直巳 [イラストレーター/絵本作家]
日本大学藝術学部美術学科卒。 小学3年のときに石ノ森先生の「マンガ家入門」に出会い、漫画家を志し、中学から大学までマンガ同人誌を作る。予備校時に油彩画,デッサンも学び、大学ではデザインとイラストレーションを学ぶ。就職したのが帯ときもののデザイン会社。後にイラストレーターとして独立。似顔絵も描いたり、広告のイラストも描いたり、ありとあらゆる絵の仕事をこなしてきた。それらすべてが今に、繋がっている現在、かえるアートの会を主催。ここでも同人誌を作り、ストーリー漫画を描いている。絵本デビューは福音館書店刊「かえるのトンネ ル」(こどものとも)他に偕成社刊「おとうさんとうみにいったんだよ」絵 福音館書店刊「ライオンタマリンの森」(たくさんのふしぎ)絵 などイラストレーターとして、リアルからカットまで 夥しい数のイラストを描いてきた。今は、図鑑の仕事で動物などを描くことが多い。
手・顔など体の部位別篇
36時間 週1回3時間×全12回 60,000円
- 各自自己紹介、目標設定 陰影をつけず「線のみ」で描く訓練
- 観察デッサン1(以下、観としるす)→超画力のプロの絵を徹底的にマネる
a 見てマネして描く b見ずに思い出して描く cもう1度見て描く(反復訓練)
- 記憶デッサン1(以下、記としるす)→実際に目の前にあるものを観察して描く
自分の手を描く
- 想像デッサン1(以下、想としるす)→構造を理解し、一部描いてある絵を想像し描き、完成させる
- クロッキー1 生徒間で交代して上半身など描く(線のみ)
- 観2 自分の足下を観察して描く 足と靴
- 記2 顔の模写 いろいろ描いてみる
- 想2 写真を参考に 普通の表情の写真を笑わせてみたり、泣かせてみたりして描く
- 石膏デッサン(首像)1(鉛筆)
- クロッキー2 生徒間で交代し上半身等描く(線のみ)
- 観3 自分の横顔を見ながら描く(写真撮影したもの)
- 記3 上半身あらゆる角度で描いてみる
月ごとに課題を提出(自分の描きたいものを知る)
生物 機械 風景 動物
全身篇
36時間 週1回3時間×全12回 60,000円
- 観3 上半身を時間をかけて描く(調子・陰影つける)
- 想3 アニメの原画と原画の間の動画を描く1
- 石膏デッサン半身像1(鉛筆)
- クロッキー3 生徒間で交代し全身描く(線のみ)
- 記4 全身動き いろいろ
- 観4 正面 向き合って描く
- 想4 アニメの動画 2
- 石膏デッサン半身像2(鉛筆) 完成!
- クロッキー4 モデル全身(調子・陰影つける)
- 記5 パースのついている絵の模写 いろいろ
- 観5 バラバラに並べられたもの の位置を正確に描く
- 想5 着物姿(着物の構造を知り資料をもとに) など
月ごとに課題を提出(自分の描きたいものを知る)
生物 機械 風景 動物
アクション篇
36時間 週1回3時間×全12回 60,000円
- 石膏デッサン胸像1(調子・陰影をつける)
- クロッキー5 モデル全身(調子・陰影つける)
- 記6 アクション1(スポーツや武道など資料使用)
- 観6 精密描写(身近な道具類)
- 想6 様々な資料をもとに妖精、ドラゴンなど実際にはないものを描く1
- 石膏デッサン胸像2
- クロッキー6 街頭で動く人々1
- 記7 アクション2
- 観7 アクション3 モデル使用
- 想7 資料をもとに2
- 石膏胸像3(鉛筆) 完成
- クロッキー7 街頭で動く人々2
月ごとに課題を提出(自分の描きたいものを知る)
生物 機械 風景 動物
「ものの構造の理解」の3要素について
- どんな物を描く場合でも、「丸や四角」という平面上のものを描くのではなく「球体、立方体」という「三次元の立体として認識する」ことが「物の構造を理解しながら」という意味です。このことがハッキリ分かれば「顔が描けていても頭がぺしゃんこ」な絵を描くことが「できなくなる」のです。
- また、人物のプロポーションをしっかり理解し、「基本的に腕が足より長くなることはない」、などハッキリ把握できれば「何か変だけど、どこが変なのか分からない」という曖昧さを排除し、「正確な絵」が描けるようになるのです。これも「構造を理解する」ことのひとつです。
- 人体は骨格があり、筋肉があり、その上に皮膚があるという解剖学的なことも基本的に理解すれば、「こんな角度では頭と首がつながらない」など、自分で描いた絵を自己判断できるようになる。これもまた、人体の「構造を理解」することのひとつです。
デッサンの3分類について(便宜上)
- 実際には物を見ないで、人体などを描くマンガ・イラスト等を「記憶デッサン」と呼ぶ
- 見て描いている「つもり」でも、うまく描けないのは「本当には見て描いていない」からそこを理解し、本当に「見て描く」のを「観察デッサン」と呼ぶ
- 実際には存在しないものを、資料をもとに構成し、想像力(創造力)を膨らませて描くデッサンを「想像デッサン」と呼ぶ
★デッサンは、本来このように分類されてはいません。ただ、初心者の理解を助けるために、この3分類をつくりました。何でも かんでも「デッサン」という言葉を使って分かったような、分からないような、「曖昧さ」を避けて欲しいのです。
美術デッサンとマンガデッサン(これも便宜上分類)を並行して学ぶ
美術デッサンは何を学ぶのか
とにかく観察して、3次元にある物体を2次元の紙にそっくり移すことをまず学ぶ。カタチがとれるようになることは勿論、デリケートな諧調を観察して表現できるようになる。存在することの美しさ、強さ、厳しさなど、「芸術」の門をくぐるために必要な第一歩をある程度、時間をかけて学び「体験」す る。マンガデッサンだけにとどまらず、幅広い視野を持つ意味でも 美術デッサンを学ぶことは必要不可欠ですし、品格のある絵が描けるようになります。
マンガデッサンは何を学ぶのか
まず人体のカタチが取れるようになること。どこから見ても人体を見ないで正確に、どんなポーズでも描けるようになること。 しかも、極めてスピーディーに。アオリやフカンといったマンガならではの構図、デフォルメなども。そのためにあらゆる工夫をし、プロのなかでもきわめて画力があると定評のあるマンガ家、イラストレーターの絵に習い、追い つき、追い越すことをめざす。モデルが既にあるのだから、必ずできることを前提にし、そこから今、何をすればいいか導きだせる。徹底した反復訓練が必要 とされます。
絶対画力!上達講座